2020年12月30日水曜日

大東流合気武道について(3)


前回の投稿に引き続き、大東流合気武道の紹介三部作の最後となる第三弾。
遂に、伝説の武道家、武田惣角先生の登場です!

以下、原文のまま、お楽しみください。

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 武田惣角、安政六年(巳末・守護神大日如来)十月十日、会津御池伊勢宮武田屋敷にて惣吉次男として生まれる。
 惣角は父惣吉より剣術、棒術、相撲、大東流を学び、小野派一刀流を会津藩義勇遂長渋谷東馬に就いて学び、さらに各地を武者修行して、明治六年には長州征伐の折、父惣吉と親交を結んだ榊原鍵吉を父と共にたずね内弟子として鍵吉より直心影流の秘奥を学んだ。
 さらに榊原道場にて、興武所の各流派武術の達人と立合い、剣棒槍半弓杖手裏剣等武芸十八般に稽古精進して熟達し、全国の各流道場を巡回しては他流試合をして技を研究練磨していった。

明治八年に、廃藩置県により家老職をとかれ、都々古別神社の宮司となった保科近真(西郷頼母)の許に神官見習いとして行き、大東流御式内を学んだが、九州にて西郷隆盛の旗上げの噂がとび、その支援に行こうとするも失敗、明治十年には大阪で桃井春蔵の客分となっている。

大東流合気柔術中興の祖である武田惣角源正義先生


 その敵なしの剣は会津小天狗と恐れられ、宝蔵院槍術の印可等も受け各地を巡り武者修行の旅を続け九州鵜戸明神、二荒山(日光東照宮、明治十三年近真が副宮司となっている)、出羽の羽黒山等にも参籠祈願し心身鍛錬を続けている。
その間、保科近真の許へは幾度も足を運び、大東流御式内を学んでいる。西郷頼母は西郷隆盛と同族であり、近年手紙のやり取りのあったことが発見されている。

惣角と共に桃井道場より出立した庄内藩士兼之、榊原政治の両名は西南の役に西郷軍として参戦し戦死している。

明治三十一年、円仁開基の天台密教修験道場霊山にて保科近真の許、修行して遠知力、心眼力、その他の神通力を完全に身につけると共に、武田惣右エ門より西郷頼母に引き継がれた大東流や御式内の秘奥を学び会得する。

五月十二日、近真より
「しるや人川の流れを打てばとて水に跡ある物ならなくに」
の一首を示され、これより正式に大東流合気柔術を継承する。

保科近真の一首


 惣角は大東流合気柔術、小野派一刀流の二流を名のり、全国巡教し普及に努め、西郷従道や幕末明治の剣豪下江秀太郎をはじめ陸軍将校、判検事、警察、各地武道家名士等三万の門人を育成した。

惣角は百五十センチに満たない小男であったが、その技は神技であり、眼光鋭く人の過去現在未来を会う以前より察知していたという事もある。

それらにまつわる逸話は数多い。

又惣角の門人より数多くの分流支派が作られ、現在に至る。
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ここまでの3つの投稿に渡り、大野総本部指導員(名古屋大学パワエレ研究室技術補佐員)が主催される体験セミナーの前準備として、大東流合気武道の紹介をさせて頂きました。

歴史的にも非常に有名な人々が深く関わってきた武術であることが、自分で記載してみて理解できました。
今、名古屋にて、天皇家から伝わる日本の秘宝とも言えるこの武術を体験できることは、僥倖と言えると思います。

皆様も是非、ご参加くださいませ!


大東流合気武道について(1)
https://pelab-budo.blogspot.com/2020/12/blog-post_50.html

大東流合気武道について(2)
https://pelab-budo.blogspot.com/2020/12/blog-post_42.html

大東流合気武道について(3)
https://pelab-budo.blogspot.com/2020/12/blog-post_42.html


■連絡事項

【セミナー情報】
大東流合気武道ヤマト会体験講習会
https://pelab-budo.blogspot.com/2020/12/blog-post_69.html

【基本情報】
・コンタクト先:山本(yamamotoecs@gmail.com
・稽古場:宝珠院観音堂(名古屋市昭和区伊勝町2丁目9)
 https://pelab-budo.blogspot.com/2020/12/blog-post_30.html


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1 件のコメント:

  1. 武田惣角研究家の池月映です。故郷の会津坂下町の人物紹介は大東流創始者に訂正されております。ウィキペディアの「合気」「武田惣角」「大東流合気柔術」「西郷頼母」「御式内」などをご覧ください。

    研究された内容を拝読しました。これまで流派が主張した内容で苦心された努力が見られます。私の著書「合気の武田惣角」「会津雑学Ⅱ」「大東流の史実と合気の意味について」(日本武道学会総会・研究発表)もあり、さらなる研究をご期待いたします。

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